大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4015 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告本人及び弁護人丸三郎の各上告趣意(後記)に対し当裁判所は次のとおり判

断する。

被告本人の上告趣意は、要約すると結局被告人に対する逮捕手続に法令の違反が

あり、被告人の警察官に対する自白が当該取調官の強制脅迫による不任意のもので

あることを前提として原判決の憲法三八条二項等の違反を主張するに帰着する。し

かし、逮捕の違法そのものは判決に影響を及ぼさず従つて上告の理由とならないこ

とは、すでに当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)七七四号昭和

二三年一二月一日大法廷判決、集二巻一三号一六七九頁)。また、被告人の警察官

に対する自白が強制脅迫によるものであるとの事実は記録上これを認めるに足りる

資料がないから、所論違憲の主張は前提を欠き採用できない(なお、被告人は第一

審公判廷でこれらの自白調書を証拠とすることに同意しているばかりでなく、公判

廷でも自白している、そして第一審判決は被告人の警察における自白調書を証拠に

引用していないのであるから、論旨はいずれの点からも理由がない)。その他の論

旨は事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人丸三郎の上告趣意は、本件は被告人に不利益な自白を唯一の証拠とするも

のであつて憲法三八条三項に違反するというのであるが、原判決の是認した第一審

判決は、被告人の自白を補強するに足る他の証拠をも挙示しているのであるから、

所論は前提を欠き採るを得ない。

その他の所論は事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らないもの

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であるか被告本人の上告趣意と同趣旨に帰するものであるかのいずれであつて、そ

の理由のないことは前記説明により明らかである。また、本件には刑訴四一一条を

適用すべき事由も認められない。

よつて、刑訴四〇八条、一八一条、刑法二一条に従い、裁判官全員の一致した意

見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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